こんにちは!
オリーブの木は、地中海沿岸を原産とする常緑樹で、シルバーグリーンの葉とすらりとした樹形が美しく、庭やベランダを明るく彩ってくれる人気の植物です。シンボルツリーとしても人気があり、ナチュラルな雰囲気のお庭や、モダンなインテリアにもよく似合います。
家の近所にもオリーブの木が地植えされてますが、ものすごい成長で2階まで届いていて、毎回家の前を通るたびに「ほぇ〜」と見あげてます。
地植えだとそれだけ大きく成長しますが、鉢植えで観葉植物として育てるのもイイですよね!
しかしながら、時には成長が止まったり、葉が黄色くなったりすることがあります。
せっかく植えたのに元気がないと不安になりますよね。
「オリーブ=丈夫で簡単に育つ」というイメージだけで迎えると、
意外にうまくいかないことも多いのが現実。
葉が黄色くなったり、枝がひょろひょろと伸びて見た目が乱れたり、
なかなか成長しない……
そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
この記事では、オリーブの木がなかなか育たない時の原因と、
それぞれの対処法を詳しく解説します。
オリーブの木が「元気に育たない時」のチェックポイントと対処法
① 日当たりは十分か?
オリーブが元気をなくす原因の第一位は「日照不足」です。
オリーブはとにかく日光を愛する樹木。
最低でも1日6時間以上の直射日光を必要とします。

残念ながら「屋内管理」はできません。
鉢植えはもちろん可能ですし、地植えでも大きく育ちますが、
必ずお外で育てなければいけない。というのが前提になります。
一般的な観葉植物の場合は、直射日光NGである事が多いですが、オリーブにおいては
日光ガンガンあてるのが、むしろ喜びます
こうなるともう。「樹木」だと思ったほうがいいですね。
日照不足のサイン
- 葉の色が薄く、黄緑〜黄色に変化してきた
- 新芽の数が少なく、枝ばかり伸びている
- 幹や枝が細く長く間延びしている(徒長)
- 株元がスカスカになり、バランスが悪い
- 全体的に葉がしおれたり、落ちてしまう
改善策
- 置き場所を見直す
庭やベランダなど、1日6時間以上日光が当たる場所が理想です。南向きであればベスト。 - 室内の場合の工夫
どうしても室内で楽しみたい場合は窓際ギリギリに置きます。窓から30cm離れただけでも光量は大幅に減少するため注意。できれば日中は屋外に出す「半屋外管理」がおすすめです。 - 風通しも確保する
日光とともに大切なのが風。サーキュレーターを使って空気を動かすだけでも、蒸れや病気を防げます。 - 冬場の工夫
冬は日照時間が短くなるため特に意識が必要。昼間は屋外、夜は室内に取り込むなど、手間をかけるほどオリーブは元気を保てます。
② 水やりの頻度は適切か?
オリーブの木は乾燥には強いが、過湿には弱い植物です。
水のやりすぎや乾燥しすぎが成長不良の原因になります。
基本的には土の中までしっかりと乾いてから水やりをするのがコツです。
かといって、土の中の状態は簡単にわかるものではないので
土の表面が乾いてから〜〜日後、といったルールを用いて、季節ごとに調整すると良いですね。
プチまとめ
オリーブは乾燥に強く、過湿に弱い植物です。
つまり「水やりのしすぎ」が大敵。多くの方が観葉植物を枯らす原因が
「愛情を込めすぎて毎日水をあげてしまう」ことですが、
オリーブも例外ではありません。
■ オリーブの木の水やり頻度が適切かどうかの調べ方
- 鉢の土の表面を確認する
→ 乾いて白っぽくなっていれば水やりのタイミング。
→ まだ湿っている場合は、数日待つ。 - 指を土に差し込んでみる(深さ3〜5cm)
→ 指先まで乾いていれば、しっかり水やり。
→ 指に湿り気を感じたら、まだ与えなくてOK。 - 鉢底から水がしみ出るかを確認
→ 水を与えた際に鉢底から出ていれば、しっかり水が行き渡っている証拠。 - 葉の状態を見る
→ 葉が垂れている・しおれている:乾燥しすぎの可能性。
→ 葉が黄色くなってポロポロ落ちる:水のやりすぎの可能性。 - 鉢の重さで判断する
→ 乾いているときは軽く、湿っていると重く感じる。
→ 普段から重さを意識しておくと感覚でわかる。
■ 対処法
土の水はけ改善(湿りすぎ防止)
→ 鉢底に軽石を敷く、観葉植物用の土やオリーブ専用用土を使う。
水やりの基本ルール(春〜秋)
→ 土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与える。
→ 頻度の目安:週1〜2回(気温や置き場所によって変動)
冬場の水やり
→ 成長がゆるやかになるので、水の量と頻度を減らす。
→ 目安:2〜3週間に1回(土がしっかり乾いてから)
受け皿にたまった水はすぐ捨てる
→ 根腐れの原因になるので、水やり後は要チェック。
③ 土の状態は適切か?
オリーブは水はけの良い土を好みます。
水が溜まりやすいと根腐れを起こし、成長が止まります。
オリーブが元気をなくすもう一つの大きな原因が「土」です。
特に鉢植えでは、時間が経つと土の粒が崩れ、排水性が落ちてしまいます。
■ 土の状態が適切かどうかの調べ方
- 水はけの確認
→ 水をあげたときに、すぐに鉢底から水が出るか
→ 出てこない or 時間がかかる → 水はけが悪い可能性 - 土の表面にカビ・白い粉がないか
→ 通気性が悪く湿気がこもっている可能性あり(=過湿) - 土が常に湿っていないか
→ 数日経っても湿っている=排水性が悪く根腐れリスクあり - においを確認する
→ 土から腐敗臭や酸っぱいニオイがする → 腐った根や菌の繁殖が原因 - 土の粒が潰れてベチャベチャになっていないか
→ 粒状の土が崩れてドロドロに → 通気性がなくなっている - コバエや虫が発生していないか
→ 腐った有機物や過湿状態の土に引き寄せられる - 植え付けから1年以上経っているか
→ 古い土は栄養・通気性ともに低下している可能性がある
■ 対処法
虫が出てきた場合
→ 土をすべて交換、鉢も洗浄
→ 虫除け効果のある天然素材の土を使うのも◎(例:くん炭入り)
水はけが悪い場合
→ 赤玉土や軽石を混ぜた土に入れ替える
→ 鉢底にしっかり鉢底石を入れる
通気性が悪い・湿気がこもっている場合
→ 一度、根を確認して傷んでいれば切除+植え替え
→ 観葉植物用の「排水性・通気性がよい」土に変更
カビや臭いがある場合
→ 表面の土を3〜5cmほど取り除いて新しい乾いた土に入れ替える
→ 室内なら風通しをよくする/サーキュレーター併用も有効
④ 肥料は適切に与えているか?
肥料はオリーブにとって「成長のスイッチ」。
しかし足りないと元気をなくし、多すぎると「肥料焼け」で根を傷めてしまいます。
◾️肥料不足のサイン
- 葉の色が薄い
- 新芽が出ない
- 花や実がつかない
◾️肥料過多のサイン
- 葉先が茶色く枯れる
- 葉が縮れる
- 土に白い結晶が浮く
◾️適切な与え方
- 春〜秋の生育期
月1回を目安に緩効性肥料、または2週間に1回液肥を与える。N-P-K=5-5-5〜8-8-8程度がバランス良し。 - 冬の休眠期
基本的に不要。与えると根を傷めるリスクが高まります。 - 肥料焼けの対処
疑わしい場合は鉢底から水をたっぷり流し、数週間肥料を控えましょう。
■ 対処法(与え方の目安)
- 春~秋(生育期):月1回が目安
→ 観葉植物用の緩効性肥料 or 液体肥料を規定量で
→ 肥料成分:N-P-K=5-5-5~8-8-8程度がバランスよし - 冬(休眠期)は基本不要
→ 肥料を与えると根が傷む可能性あり - 肥料焼けの疑いがあるときは
→ 土をたっぷりの水で流し、数週間肥料をストップ - 1年以上施肥していない場合
→ 土の栄養が切れている可能性が高いので、まずは様子を見ながら控えめに施肥
「葉・新芽の状態+施肥履歴」で判断するのがポイントです。
適切な肥料管理をすれば、オリーブは元気に育ち、花や実も期待できます。
オリーブの実をつけるための条件
オリーブを育てている方の多くが憧れるのが「実の収穫」です。しかし、オリーブはただ育てているだけでは実がならないことが多く、特に一本だけでは難しい場合が多いです。その理由は、オリーブの多くの品種が自家受粉しにくい性質を持っているためです。
結実のためには「日当たり・品種の組み合わせ・剪定」の3つがカギとなります。
ポイントまとめ
- 日当たり:毎日6時間以上の直射日光が必須。光が足りないと花芽がつかない。
- 品種の組み合わせ:2本以上の異なる品種を植えることで受粉が成立しやすい。
- 剪定:枝が込み合うと風通しが悪くなり花芽が減る。光を取り込むための剪定が必要。
- 人工授粉:鉢植えや風のない環境では綿棒や筆で花粉を移すと成功率が上がる。
つまり、実を楽しみたいなら「2本以上の品種をそろえて日当たりの良い場所に置き、枝を整える」ことが必須条件になります。
品種ごとの違い

オリーブは世界中に数千もの品種が
存在すると言われていますが、
日本で流通しているのは数種類です。
品種によって葉の雰囲気、育てやすさ、耐寒性、
実の大きさが異なるため、
目的に合わせた選び方が大切です。
代表的な品種と特徴
- ミッション:アメリカ原産。耐寒性が高く育てやすい。観賞用にも収穫用にも人気。
- ネバディロ・ブランコ:スペイン原産。花粉量が多く、受粉樹として最適。樹勢も強い。
- マンザニロ:大きな実がなる品種。テーブルオリーブとして利用される。寒さにはやや弱い。
- ルッカ:イタリア原産。樹形が整いやすく観賞向き。オイル用品種としても知られる。
品種選びの考え方
- 観賞がメイン → 「ルッカ」「ミッション」
- 実を食べたい → 「マンザニロ」「ミッション」
- 確実に結実させたい → 「ミッション+ネバディロ・ブランコ」の組み合わせ
品種を組み合わせることで、花粉のやり取りがスムーズになり、実の収穫が期待できます。
鉢植えと地植えの違い
オリーブをどこで育てるかは、生活環境や目的によって決める必要があります。鉢植えと地植えでは、それぞれメリットとデメリットがはっきりしています。
鉢植えの特徴
鉢植えの特徴
- 移動できるため、日当たりや寒さ対策がしやすい
- マンションや庭が狭い場所でも育てられる
- 成長はゆるやかで管理がしやすい
- 土が乾きやすいので水やり頻度は多め
地植えの特徴
- 根が伸びるため、大きく育ちやすい(制御不能レベル)
- 実を収穫したい場合に有利
- 夏場の管理が楽(水持ちがよい)
- 一度植えると場所の移動が難しい
まとめ
地植え向き:広い庭で大きく育てたい人、実をしっかり収穫したい人まとめ:オリーブの木を「長く元気に」育てるコツ
鉢植え向き:インテリアとして楽しみたい人、管理の自由度を重視する人
オリーブの木がうまく育たない時は、以下のポイントをチェックしてみましょう。
✅ 日当たりを確保(6時間以上の直射日光)
✅ 水はけの良い土を使う(鉢底石+赤玉土)
✅ 水やりは控えめに(乾いたらたっぷり)
✅ 春と秋に肥料を与える(成長期のみ)
✅ 病害虫の早期発見・対策を行う
オリーブは「気難しい植物」と思われがちですが、コツをつかめば非常に丈夫で長く育てられる樹木です。毎日のちょっとした観察と環境の工夫が、オリーブを青々と育て、やがて花や実を楽しむことにつながります。
庭先やベランダにシンボルツリーとして構えるのもよし、小さな鉢植えからスタートするのもよし。あなたの暮らしに寄り添う一本のオリーブが、年月とともに姿を変え、生活を豊かにしてくれるはずです。

